- 全国に数ある巡礼地とは異なり、四国八十八箇所を巡ることを特に遍路と言い、巡礼者はお遍路さんという愛称で親しまれています。
昔は世捨ての旅として知られた、全行程1,400Kmにもおよぶ厳しい道のりの四国八十八ヶ所巡り。かつてのお遍路は、家内安全・病気平癒・先祖供養など、現世や将来を願う祈りの旅でした。近年では、信仰によるもの以外に、健康のため、ストレス解消のため、自分自身を見つめ直すため、観光としてなど、さまざまな目的で巡られています。 - 古くは、国の中心地から遠く離れていた四国は、修験者の修行の場でありました。讃岐でご生誕されたお大師さま(弘法大使・空海)もたびたびこの地でご修行し、八十八ヶ所の寺院などを選び霊場を開創したと伝えられています。
当初は修行僧らが大師の足跡をたどって遍歴の旅を始めたものが、後に一般の人々に広がり、盛んに行われるようになりました。
八十八という数字については定説はなく、の八十八の煩悩が消えて成仏できるとか、男42歳、女33歳、子供13歳の厄年を合計した数というような説もあります。 - 四国には、お大師さまゆかりの寺院が八十八ヶ所以外にもたくさんあります。それらは四国遍路の歴史とともに人々の厚い信仰を集めてきました。
そのうち特にお大師さまとご縁の深い二十ヶ寺が集り、八十八ヶ所に別格霊場をあわせた百八ヶ寺を巡礼し、人間の悩み、迷いのもととなる百八の煩悩を消滅させるという主旨で別格二十霊場を創設しました。 - 本来は右図のような白装束がお遍路の正式なスタイルですが、「これでなければ」という決まりはありません。気持ちや心構えがあらたまるということで衣裳を整える方もいれば、ジーンズにスニーカーというラフな服装の方もたくさんいます。
階段を昇ったり降りたりすることもあるので、何より歩きやすい服装がよいでしょう。 - 「同行二人」とは、お遍路がお大師さまとの2人旅であることを意味します。1人で歩いていても、常にお大師さまがそばにいて、その守りを受けているという、長く厳しいお遍路において心の支えになる言葉。
菅笠に記されている他、お遍路をしていると、さまざまな所で目にします。